「愛子さん、入りましたよ
痛いですか?」

私は有栖川の枕を必死に掴んで頷いた

「痛いぃ!」

「僕の顔を見て」

私は言われた通りに、目を開けて有栖川を見た

「なに、その緩みきった幸せ満開な笑みはっ!」

「ふぅん、幸せですから
もっと言うと、枕にしがみついてる手を僕の体に回してくれると嬉しいなぁ」

「嬉しくない!」

「僕が嬉しいんです」

「いいから、早くどうにかしてぇ」

有栖川がにやりと微笑んだ

「いいの?」

「今更聞くの?」

「ま、一応ですけど」