「じゃぁ、どうする?」

俺は横目で竜之介を見た

竜之介は苦しそうな表情をしていた

バカね

あんたなそんな顔してどうすんのよ

何もできないくせに

「愛子が嫌がってるなら…」

「あの部屋から連れ去る?
有栖川が近づかないように藤城家にでも閉じ込めておくの?
それであんたは恋人と楽しくエッチ?
恋人と別れて、あの子の一生を面倒見るくらいの気持ちがないなら…あの部屋から連れ去るのは賢明な判断とは言わないわ」

そうだろ?

ガキ臭いおぼっちゃま

「今の生活に追い込んだのは僕だから」

「そうね
あなたのせいよ
でもここで聖一郎さんとの生活を選んでいるのはあの子でしょ?
嫌なら出ていくだろうし
他に頼る相手がいるならそっちに身を委ねていたはず
でもあの子は聖一郎さんを選んだ」

「愛子に選ぶ選択肢があったとは思えない」

「あら…」

なんかバレてそう?

あの子の居場所を無くして、聖一郎さんに頼るように仕向けたなんて

バレてないと思ってのに