僕様王子に全てを奪われて

…有栖川の世話になったほうが…楽な気がしてきた

「足がいったぁーい」

私はアパートに戻ってくると、部屋のドアを開けた

「……え?」

部屋の中を見て、私の思考がストップする

「あぁ…いぃ…つぅ…
本当にやりやがった!」

私をどこまで追い詰めれば、気が済むのよ

私を馬鹿にしてぇ

空っぽの部屋を見て、きゅうに泣けてきた

本当に、大家さんまで丸めこんだんだ

「なんなのよ…もうっ」

私は玄関に蹲った

バイトも全部辞めさせられてるし…

新しいバイトも見つからないし

その上、アパートまで…

住む場所も、お金を稼ぐ場所も、全部有栖川に奪われた

華道のトップをあげたじゃない

それだけじゃ、足りない?