僕様王子に全てを奪われて

「一つ、言っていいですか?」

僕は車のロックを開けると、後部座席のドアを開ける

飯島さんが運転席のドアの前に立って僕の前に立った

「何です?」

「お願いですから…その格好で、女性の言葉づかいはやめてください
鳥肌がたちますから」

飯島さんがニヤリとほほ笑んだ

「仕方ないじゃーん
慣れた言葉だし、ついつい出ちゃうのよ~…てね」

僕の腕にぞわ~っと寒気が走って、鳥肌が立った

「だから、やめてください」

「はいはい!」

飯島さんがにこにこと楽しそうに笑って、車に乗り込んだ

ジーパンに、Tシャツ姿の飯島さん

昼間の顔とは全く違う

髪は茶色の短髪で、胸はぺったんこ

どこから見ても、『男』だ

小柄で細身だけど…『男』

愛子さんが見たら、きっと驚くだろうね