飯島さんの携帯電話から、愛子さんの泣き声が聞こえてくる

携帯が壊れんばかりの大きな声を出して、泣いている

僕のせい?

僕が、愛子さんを一人にしたから?

突き放したから?

だって…僕だって辛いんだ

いろいろと

実家に帰れ…って言われたり

他の男と楽しそうに笑ってるところを見せつけられたり…

極めつけは…僕との約束を飯島さんに相談していたなんて

ショックだったんだから

飯島さんに相談して…今夜はどうするつもりだったの?

僕に抱かれるつもりだった?

それで僕が喜ぶとでも?

「ちょっと聖一郎さん、まだ抜けてない!」

飯島さんが僕の背中に手をまわしてきた

「よしっ! これでオッケーよ」

「飯島さん、それ…通話中なんですよね?」

「ええ、切らないでって言ったから」

僕はため息をついた

「僕と飯島さんの関係…疑いますよね?
今の会話だけを聞いていたら」

「あ…まあ、その可能性は高いかしら?」

飯島さんの視線を宙を泳いだ

なんか僕に言えないことでもあるんですか?