僕様王子に全てを奪われて

私はよろよろと立ち上がると、投げた携帯を探した

手探りで見つけると、さっきとは違う番号に電話をした

『はい?』

「色気のない15歳のガキ臭い女で悪かったわね!」

声の出る限り大きな声で、私は叫んだ

『え? 何?』

電話の相手が驚いた声をあげる

「どうせ…隣だか上だかに…下とかに…有栖川がいるんでしょ?
こんだけ大きな声で叫べば、聞こえたでしょ?」

『大きくなくても聞こえるわよ
耳が壊れるかと思ったじゃない』

冴子の呆れた声がした

「冴子ぉ…私、寂しいよぉ
どうしちゃったんだろう
寂しくて、寂しくて、イライラするの
思わず携帯を壊すところだったのぉ…もうここ、出てく!」

『えっ? ちょ…落ち着きなさいってば
こら…あっ、ん、聖一郎さんもっ!』

あ…やっぱ、ナニの最中だったんだ…

ホントに、私の必要性ないじゃん

どこに行けば、私はいい?

私の居場所はある?