僕様王子に全てを奪われて

すぐに竜ちゃんからの電話が鳴る

でも私は出なかった

出たくなかった

竜ちゃんにどんな風に思われているのか…知ってしまった気がした

確かに二人の交際は認めないって断言してたけど

私一人が騒いだって仕方なのないことでしょ?

強がって…

負けたって思いたくなくて、あんなひどい言葉を言ったけど

家を売って、一人暮らしを始めた時点で、私の気持ちを理解してくれたと思ったのに

竜ちゃんはわかってくれてなかったんだね

私がまだ、莉子さんとの交際を破談にしようとしてるって思ってたんだね

だから勇人さんの口から私の名前を聞いて…不安に思ったんだ

私が莉子さんに言っても駄目だってわかってるから

交際をあまり快く思っていないであろうお兄さんと手を組んで…破局に追い詰めようとしてる…なんて考えたんだ