僕様王子に全てを奪われて

じゃあ…何だ?

何なのよ

「悪いな…あいつに見られたくないんだ」

「は…はあ…」

肩を掴んだ男の顔を、やっと見れた私は、男の全身を2往復してじっくりと見てやった

清潔そうな身なりで、服は高級ブランドだ

髪は黒髪で短い毛をオールバックしている

黒縁眼鏡の奥は、賢そうな目で私を見ていた

だ…だれ?

こんな人、知らないけど

「金に困ってるって?」

「はい?」

「さっき、あいつとそう話してただろ?」

「まあ…話してましたけど…って盗み聞きですか?」

「くっだらねえ質問だな」

はああぁぁい?

何、その態度は!

「俺に協力してくれたら、金をやる
どう?
あいつより良い金額を提供してやる
今すぐ、選べ」

「は?」

何を?

私は首をかしげた