僕様王子に全てを奪われて

「じゃ、連絡待ってるよ」

高波さんは片手をあげると、レストランから離れていった

あれ?

帰るところだったのかな?

私は振り返ってレストランの中を見た

まだ女性陣たちは、盛り上がっている

有栖川も笑顔で、女性たちと会話をしていた

盛り上がってるのに…なんで?

仕事でも残ってたのかな?

私はもう一度、名刺に目を落とそうとすると肩を思いきり掴まれて後ろに引き摺られた

「ちょ…え? なにっ?」

「静かにしてろ」

はい?

なに、この命令口調は!

誰よっ

私はレストランの建物の陰に引きずり込まれた

外は、薄暗くなり始めている

真っ暗じゃないけど…でもちょっと暗い

え?

でも…こんな人通りのあるところで連れ去り?

…な、わけないか

レイプ?

いや、時間はまだ早い!