「素直に抱かれれば?」

冴子が、背筋を伸ばして私を見た

「それができないから…」

「なんで?」

「…痛いのは、ちょっと…
昔から痛みに弱いっていうか…」

冴子の顔がまた歪むと、笑い声が響いた

「ちょっと!」

私は冴子の肩を叩く

「ごめっ、だって、おかしいんだもの
なんで、最初に痛みを気にするのよ!
痛くないなら、聖一郎さんに抱かれても良いってこと?」

「ええ?」

私の頬が一気に熱くなった

いや…別に…なんというか…

全く抱かれたくないってわけじゃないけど…ねえ

ああ、説明が難しいよぉ

「ねえ、どうなの?
アナタの気持ちは?」

「そんなこと言われても…」

「まあ、さっさと抱かれろと言ったのは私だし、今更、気持ちを確認するのも面倒だけど
聖一郎さんはどう思うかしら?」

「え?」

冴子がにっこりとほほ笑んだ

優しい笑みで、私の頭を撫でると肩を2回ほど叩いた