桃びる


「あ、おはよう…」


春は起き上がると
思いきり伸びをして

一つ欠伸をすると、
続いた欠伸を噛み殺した。


『いつまで寝とんねん!』

彼は不機嫌を露骨に
声にまで表わして、

おそらく先ほどの音を
だすのに用いられたで
あろう百科事典をそっと

自習机の棚の上に置いた。


そして、読んでいた
聖書を、ズボンの
ポケットにしまう。