普通さ、女の子に行かせるもの?
じゃんけんで負けたからって
あたし生徒だよ?
女の子だよ?
そういえばあたしが塚本に掴まっていた時も
「関係ない」
なんて言ってたし。
はー。
あの人ほんとに教師なの?
なんて思いながら、いつの間にか気まずい事なんか
すっかり忘れてる自分がいた。
・・おかしいよね
本当にあの人といると調子が狂う。
住宅が沢山並んでいるこの辺りは
今の時間人通りも少なくて。
空にはポツポツと小さな輝きを放っている星達と月が
頼りなく光っている。
学校と反対にある電気屋さんはあたしが小さい時から
お世話になっているお店で。
ドアを開けて入ると
「あら、花ちゃん久しぶり~」
陽気なお店のおばさんが声をかけてくれた。
「こんばんは、おばさん」
家の電気のありとあらゆる事はここでお世話になってるので
「おばさん、お風呂の電気が切れたんですけど」
そう言うと
「はいよ」
家で使っているのと同じ大きさの電球を持ってきてくれた。
「ありがとうございます」
「また来てね」
お金を払って外に出ると再び夜の世界があたしを包んだ。


