「あ、電球切れた」
その日の夜。
夜も近くなってきてそろそろお風呂をやらなくちゃと思って
ここまで来たのは良かったんだけど。
「参ったな」
ぱちぱちぱち
何度試しても付くことがない電気を見てため息が出てしまう。
「はー」
もっと早くに気付けば良かったなんて後悔しても遅い。
考えすぎは良くないってことを改めて気付かされた。
今からコンビニ行くの面倒だな・・
でもたとえご飯を抜いてもお風呂は絶対に入りたい。
なんて色々考えているところに
「風呂はまだか」
先生が洗面所を通ってお風呂場を覗いてきた。
今一番会いたくない人物は既に晩御飯を済ませたらしい。
・・やっぱりもっと早く取りかかるべきだった。
「それが・・」
あたしの言葉に
「成程な」
すぐにこの状況を理解できたらしい。
なんとなく、本当になんとなくだけど
ちらっとだけ先生の方を見てみた。
洗面所の明かりだけでよくは見えないけど。
でもやっぱりこの人はモテるんだなって
今日の事を含めて改めて思った。
告白・・されてもおかしくない。
「青山」
あたしの視線に気がついたのか、
そうでないかは分からないけど。
先生はギロリと睨んであたしに視線を合わせると
「あみだくじだ」
なんて意味分かんない事を言ってきた。


