聞き覚えのある声に後ろを振り向く。
視線の先にいたのは黒のスーツを着こなして
こちらをじっと見ている人物。
そして
昨日あたしを置き去りにして大雨の中に消えて行った人物。
「先生・・」
黒崎裕也だった。
「何をしていると聞いてるんだが」
あたしを一瞬見て、それから塚本くんに視線をずらす。
「何って、女の子口説いてるんですけど」
全く悪びれる様子もなくそう答える。
「なら場所を変えろ。通行人の邪魔だ」
・・確かにね。
こんなとこでこんな事してたら
普通に邪魔だし。
「先生・・なんですよね?いいんですか?そんな事言っちゃって」
「俺には関係ない」


