それとほぼ同時に授業の開始ベルが鳴り響いた。 「ありがとうね、朱雀君。えーと、授業始まったけど…戻る?」 「あー…どうせもう遅刻扱いだから、もう少しここにいるよ。……しっかし田中さんもやっぱ保健医だったんだな。いつも仕事してないからさっ」 朱雀と呼ばれた男子生徒はニッと人懐っこい笑みで田中さんに言う。 「当たり前でしょう?人を治すためにここにいるんだから。」