「そういやさぁ」 『なに?』 何かを思いついたように言う、ゆうや 「お前、このままじゃ朝帰りになるけど 親に連絡しなくていいのかよ――?」 『・・・・ 別に、大丈夫よ』 だって、親なんて、いていないようなモノだもの―― 「そ、ならいいけど」 あたしの吐き捨てるような言い方に少なからず何かを感じ取ったのか、ゆうやはそっけなく返事した そんな返事に、あたしはホッとした これ以上、突っ込まないでほしかったから そんなあたしをよそに、ゆうやはおもむろにジャケットを取り出し、羽織り始めた