別に、
“似合わない”
とか言われるのが
気にくわないんじゃないんだけれど・・・
どんな名前だとしても、
あんな人たちでも、
一生懸命考えてつけてくれた名前だと思うと・・・
少し、腹立たしく思えただけ。
そう、ただそれだけ・・・
「うそ」
『は?』
何を急に――?
ヤツはあたしの頬に触れて
「似合ってるよ、
なまえ」
そう言った。
『・・・っ!』
初めて、かもしれない・・・
いや、初めてだ・・・。
あたしの名前が似合うと、
言った人なんて・・・。
――バシツ!
あたしは慌ててヤツの手を振り払った



