事が済むと男はさっと服を着て車をすぐに走らせた
あたしは今にも涙が溢れそうになるのを堪えて震える体を包み込み黙ったまま男を見ては吐きそうになった
泣いたら負けだ
自分の中のプライドが許さない
それよりいっぱい殴られたせいか口の中が血の味がして太股や手首は赤くじんじんした
痛さを通り越して感覚が麻痺している
数分もしない内に車は止まり、男は後ろのドアを開けあたしの髪を掴みあたしとあたしの洋服を山道に捨てた
そして車は去っていき、急に涙がどっと出てきてひとり声を押し殺して泣いた
辺りは真っ暗で街灯も少なく人が通る気配もない
服を着て大通りに出ようと思ったが、足が痛くてうまく歩けず片足を引きずるように光のある方を目指し歩いた
どのくらい歩いただろう
30分?1時間?
ふと携帯を開くともう2時間も経っていた
時間は12時を回っていて寒さが更に増す
やっとのことで大通りに出ると地元に割と近いとこだった
時刻は夜中の3時
車はあまり走ってなくてタクシーも見つからない
近くに駅はなくバスもこの時間は通らない
電話番号を調べてタクシーを呼び家に帰れたのは明け方だった
