甘い紅茶と苦い珈琲




少し離れたところにしゅうがいて、すっごく冷たい顔でこっちを見てた



「しゅうちゃん」



そう言う先輩にびっくりして、先輩の顔を見上げたら、なんだか困ったような顔をしてた



「それ、もらってあげて」

「…あ。あぁ、そのつもりだよ」

「そ‥…愛、それ渡したら、行くよ」




そう言ったしゅうは、いつものしゅうで、愛はさっきのが見間違いなんじゃないかって思った





「ね、ねぇしゅう‥…母さんと父さんがね、ご飯一緒に食べたいって言ってて」

「…すみません、神木先輩。あたし、今日は用事があるので、遠慮します。」

「あ、‥でも、今度の土曜日は大丈夫でしょ?父さんの誕生日だし、一緒に」

「…‥申し訳ありませんが、部外者が一緒では、邪魔だと思うので、こちらで個別になにかします。では、失礼します。」





今まで見たことも、聞いたこともないくらい冷たいしゅうに、愛はびっくりして、手を引かれて、しゅうの後ろを歩かされてるのも分からなくて、何度か躓きそうになった






―愛 side is the end―


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