甘い紅茶と苦い珈琲



―愛 side―




「あ、あの!」

「ん?‥あ!今日は重たそうなもん持ってないんだな」



ニカッて笑った先輩は、バスケ部らしくて、タオルを首から下げてる



「あ、の‥1年の高田愛です!…そ、それで‥あの」

「ぶっ…‥学年はタイで分かったよ…んで、とりあえず深呼吸してみ?」



焦る愛に気づいたのか、熱くて大きな先輩の手が、ポンポンと愛の頭を軽く叩く


言われた通りに、大きく深呼吸すると、えらいえらいって先輩がまたニカッて笑って、ドキドキしすぎて息が止まりそう





「このあいだのお礼がしたくって、それで、これ」
「ゆうー!休憩長すぎ!!‥って」

「あぁ、わりぃ‥それ、ありがとな」

「‥あれ?ゆうって、甘いの苦手じゃないっけ?」




現れたのは神木先輩、しゅうのお姉さんで、そんなことを言われたら、愛はどうしていいか分からなくて、とっさにカップケーキを引っ込めた







「あ、あの‥」

「神木先輩」

「え?…あ、しゅう!先輩なんて、あたしたち家族なのに…」






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