甘い紅茶と苦い珈琲





愛と一緒にいると、すっごく時間が穏やかに流れてく気がする
結構好きなんだ、こういう感覚




「んとね、ついこないだなんだけどね、―‥」



吹奏楽部の愛が、部活で使う器具持って移動してたら、前から冨永(多分)が来たらしくて


愛には重たい器具で、よろけたところを、その冨永が支えたらしい
んで、重そうだからって言って、途中まで持ってくれたことが始まりらしい




それから、なんどか校舎ですれ違うたびに、目が合うとにっこり笑ってくれて、気がついたらいつも彼を探してるんだってさ…‥






「…‥そ、それでね、お礼したくて…」

「‥いんじゃない?」

「…これ、食べてみてくれる?」




そう言って出されたのは、かわいくラッピングされたカップケーキ



「…‥なんであたし?」

「だって…‥まずかったらイヤだもん…」

「‥‥毒味係ですか、あたしは」

「ちがっ!…わないけど‥しゅうにも、食べてほしかったし…」

「ありがと」




嬉しそうに笑う愛の作ったカップケーキは、ほんのりバナナの味がするのと、チョコチップが入ってるのと、プレーンのやつで、どれもおいしかった





.