甘い紅茶と苦い珈琲




気分悪い…




「‥し、しゅう?」

「…ん?」

「‥ううん…‥ありがとね」



何か言いたかったらしいけど、その言葉を飲み込んであたしに"ありがとう"と言う愛





愛って、空気読めるんだな…


なんて、失礼なこと思いながら、今は助かったなって思ってる





「‥愛、部活は?」

「今日は顧問の先生が休みだから、見る先生いないし、ないんだって」

「ふーん…‥じゃ、帰る?」

「ううん…‥ちょっとだけ、練習して帰ろうかなって‥」

「そか…じゃぁ、あたしは帰るね」

「うん、また明日ね」




愛と別れて、職員室の前を通った所で担任に呼び止められた





「神木、このプリント保護者の方に渡してくれるか?」

「‥あ、はい」

「お前、体育受けられないんだろ?」

「あんまり激しいとしんどいってだけです」

「そうか…とりあえず、これは渡して、早いうちに持ってきてくれ」

「はい」




プリントを受け取ると、小さくため息をついて職員室を出た





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