蜂蜜男子の誘惑~右にバニラ 左にチョコ~


 右京先輩は喜んで左京先輩に抱きついている。

(も、もしかして……いまこの瞬間から、あたし……)

 抱きつかれている左京先輩を見ると、彼もこっちを向いていて目があってしまう。

(わっ……わわっ……なんかどんな顔したらいいのかわからないっ)

 おろおろしていると、左京先輩は右京先輩を自分から離すと、あたしの顔の位置にあわせて膝を折ると――

「早速ですが今日から一緒に帰りましょう、相川さん」

(あ……顔が見え……っッ!!)

 首をかしげて微笑んだからか、目が見える。

 その表情は優しく少し意地悪そうだけど、甘い微笑み。

 だけど、その微笑む顔は――



(右京先輩…………?)



 チラリと見えた、左京先輩の容姿。
 
 髪の色と目の色が違うだけで、その容姿は右京先輩とうりふたつ。

「一卵性……?」

 ボソっと口にしてしまう。