カナカナカナカナ。

蝉が鳴いてる。

「うぁぢぃーい」

扇風機に当たりながら太一がぼやく。


カナカナカナカナ。

照り付ける陽射しがヒマワリの向こうに見えるアスファルトに反射して、更に熱を上げていってるように思える。

ここで暮らすあたしですら堪えるのに、お盆を利用して帰って来た太一には更に堪えたようだ。