「うーん、この作品も悪くはないけど…前回の作品と似ている感じもするんだよな」


とある出版社の一室で、わたしは編集の富田さんに作品を見てもらっていた。


「あの…どのあたりをどう直せば、前回と違う感じになるんでしょうか」

文章の直しも10回目に入り、さすがにバテてきたなぁ…という表情をすると富田さんはその表情を逃さなかった。


「遥先生…いや、遥ちゃん。君は、高校生という若さで華々しいデビューをした。作品もデビューに値するものだったと思う。」