「クソ!」


健太郎は怒りを抑え、卯月から手を離した

卯月は何事もなかったかのような態度でしわのよった服の胸元をなおした


「慎、お前まさか力ずくでこのにいちゃん連れてきたんやないやろなあ?」

「・・・」


卯月は黙っていたが、白髪の男からゆっくり目をそらし、答えた


「・・・違います」

「嘘やん!お前今、目そらしたろ!?そらしたよな!?」

「・・・そらしてません」

「嘘つけ!このっこのっ!」

「ちょ、やめて下さいよ!」

「お前ら、さっきからうるさいぞ!!」


卯月の頭をぐしゃぐしゃともみくちゃにする白髪の男と、それに抵抗する卯月、そしてその二人を怒鳴る少女


その様子を見ながら、健太郎は一人立ち尽くしていた


「(なんなんだ・・・なんなんだよ、こいつら!!)」