「なんなんだ一体・・・」


門をくぐった健太郎は驚かずにいられなかった

同じ格好をした数十人もの人が、真ん中に一本の道を作るようにして並んでいた


「なにボケッとしてやがる。さっさと行け!」


げしっ


「うおっ!?」


あっけにとられていた健太郎は、後ろにいた少女から尻を蹴られた


健太郎は転んで10mほどぶっ飛んだ


ズザザザザ


「ったく」


転がっていく健太郎を気にすることなく、少女は門の中へと足を踏み入れた

その瞬間

「おかえりなさい!!」


並んでいた人間が一斉に声をあげた


「ああ」


少女は歩きながらそれに応えた



───ドンッ


「いってぇ・・!」


何かにぶつかり、健太郎はゆっくり起き上がった


次の瞬間、健太郎は何かの影に覆われた


「なーにやってんだお前?」


突然聞こえてきた声に驚き、健太郎は上を見上げた


「お前っ・・!!」


健太郎を見下ろしていた声の主は、自分をここまで連れてきた張本人、卯月慎だった