「入るならさっさと入らんか」

「入りたくてもこの門が開かねえんだよ」

「嘘つくな」

「いやホントだって!」


健太郎の慌てた態度を見て、少女は右手を自分のあごにあてて少し考えこんだ


「(ふむ・・・こいつのこの慌てよう、嘘ではないようだな)」


考えるのをやめたと思うと、今度は門の方へと歩みを進める


「お、おい・・・」

「黙って見とけ」


少女は門に両手をそえた

右半分には右手を
左半分には左手を


そして少しばかり息を吸い込むと、一気に力んだ


「っ・・・!」

ガ・・ギ・・ギギ・・・


門が音をあげて少しずつ開く


───完璧に開くのに、5秒とかからなかった


「あ・・あ・・」


健太郎は口をあんぐりと開け、少女と門を交互に指差しながら言葉にならない言葉を発した


「何をしている。入らないのか?」

「は、入ります入ります!!」