昨日は梨珠を抱き締めたまま眠り9時に梨珠に起こされ、出掛ける準備をした。





「昨日は寝れた?」


「ああ。ありがとう。」


「いいえ。」


「昨日さ、眠りが浅いって言ったけど熟睡出来ないって事だろ?」


「そう。」


「子供の頃からか?」


「そう。」


「体疲れないのか?」


「眠りは浅いけど、寝てる事には変わりないから疲れないわよ。」





梨珠がそう言うなら口出ししないけど、少し心配になる。





「ねぇ、これで大丈夫でしょ?」





男の準備は早いが女は時間がかかり先に支度を終えたおれは梨珠を待っていた。





いつもストレートの長い髪は綺麗に巻かれて、目にはカラコン、丈の長いワンピースドレスを着て、指輪も右の薬指から左の薬指に填めていた。





「ああ。大丈夫だろ。」


「夜以外は殆どサングラス掛けるから、バレないよ。」





純日本人の俺と違って、梨珠は母親似なのかハーフでも日本人離れした顔立ちで髪は黒くても瞳の色素が薄いから日中はサングラスが欠かせない。