「ごめん。明日、梨珠がバレないか心配で気が気じゃないんだ。」


「私を信じてよ。」





俺と梨珠は向かい合って話してるうちに眉間の皺はもう取れてた。





心配で寝れないなんて言ったら、“くだらない”とか“私の事を心配して寝れないとかバカじゃない”とか言われるって思ってたけど、『私を信じてよ』って思いも因らない言葉が意外だった。





真剣な顔をした梨珠はソッと俺に抱きついて来るという突然の事で思考は停止してしまって声も出ない。





俺の胸板に顔を埋めピッタリ密着してる梨珠。





「明日、運転するの大河でしょ?まだ死にたくないの。これだったら寝れる?」





――――――寝れない。





心臓の動きが加速する。





ありえないぐらいバクバク鳴ってる。





心臓の音が体中に響き渡って、密着してる梨珠にも聞こえてるかもしれないけどそんな些細なことには構わず、俺は梨珠を抱きしめた。





「心臓の音凄い。」





何も言えない俺の心臓は相変わらずバクバク鳴ってるけど、安心する・・・・落ち着く。





梨珠のお陰で眠れそうだ。