「ただいま。」


「嫌。」





帰って来て、梨珠の第一声がこれだった。





せめて、おかえりと言ってその一言を言って欲しかった。





「バッチリ聞こえたよな？」


「バッチリ聞こえた。Ｗデートって事でしょ？最悪ね。」


「・・・・・だよな。」





やっぱり行かないよな・・・慎也から電話きたらなんて言おうと思っていた時だった。





「行ってあげてもいいよ？」





今の言葉が信じられず、目を見開き梨珠を見る。





あの梨珠が・・・行ってもいいって言った？





マジで言ったよな?





「聞いてんの？」


「あ、ああ。マジで？」


「マジよ。そのかわり・・・。」














―――――――――思わず溜息が洩れた。





「嫌だったら明日行かない。」


「わかった。やります。」





俺って振り回されてばっかりだと今更ながら改めてそう思った。







“行ってあげてもいいけど、そのかわり来週買い物に付き合う事。毎日、家事洗濯となんにもできない大河と分担せずに全てこなしてるからストレス溜まってるの。買い物でストレス発散してるから荷物持ちと全て大河の奢りだったらいいわよ？”