姫って楽だと思うのは俺だけなんだろうか。





汗まみれにならなくていいし、砂まみれにならなくていいし。





競技には出なくていいが姫にも仕事はあり、クラス対抗と選抜リレー、団技のピストル射ちをしてもらう。



                                                                                
「暑い、焼ける、暑い。紫外線最悪。」





団技のピストルを射つ梨珠は笑顔のままそう言った。



                                         
弾入れを手伝ってる俺は梨珠の隣にいた。





「我慢しろよ。」


「してるからここに立ってるの。」





笑顔は完璧だが、目が笑っていない。





競技も着々と進んで行き、接戦の末赤団が優勝した。





「赤団の皆さん、優勝おめでとうございます。赤姫になってよかったです。青団と白団の皆さんは残念でしたが、皆さんの頑張る姿に感動しました。どの団の皆さんもとても格好よかったです。今日はお疲れさまでした。」





疲れてぐったりしてるはずなのに赤姫の言葉で再び元気になり、歓声が沸く。





“解散”と言う校長の一言で体育祭は幕を閉じた。