暑い中、皆頑張ってんのに梨珠は1人で涼んで汗なんか一つもかいてない。





「体育の授業受けろよ。」


「嫌。暑いしそれに汗かくじゃない。」


「だからってサボるなよ。」


「これはサボりじゃない。」





サボり以外のなんでもないのに堂々と言い張るあたりが梨珠らしい。





「なんでもいいけど、次からちゃんと授業に出ろよ。」


「じゃあ何、私にあの暑い中動けって言うの?大量の紫外線を浴びろって言うの?シミだらけになれって言うの?」





不機嫌まるだしの顔で紫の目を細めでジィーっと俺を見て言ってくる。





「知らないの?姫がサボっても何も言われない。それにこの時期の体育の授業に出ても無駄。」


「なんでこの時期は無駄なんだ?」


「姫は体育祭出ないのよ?」


「なんで!?」


「怪我をして欲しくないから、応援して欲しいからの理由で。」





そんな理由で体育祭に出ない、なんてくだらなさすぎる。





「生徒達が校長に言って決まったのよ。」





姫達はアイドル的存在なんだと最初は思っていたが、最近はそれが間違いなんだと気付いた。