「綺麗だなんて…。大河さんは、素敵な方ですし生徒の皆さんにも人気のある先生なので、なんの取り柄もない私は釣り合ってないと思うんです。」





さっきまでの偉そうな態度はどこ言ったと口にしたいほど態度は豹変し、恥じらいながら言う梨珠に尊敬すら覚える。





将来、女優にでもなるつもりか?




「何言ってるんだ梨珠さんっ。大河には勿体無いぐらいだ。梨珠さんみたいな女性が大河の嫁に来てくれて嬉しいよ。」


「まぁ、ありがとうございます。」





大きな猫を被り親父と話す梨珠
に時たま話しを振られる俺は相槌を打つ事しか出来なかった。





「お邪魔したね。大河、梨珠さんと仲良くやれよ。じゃあな。」





そう言い、親父は帰って行った。




「大河のお父様、素敵な人ね。私の良さをわかってるわ。」





親父が帰った途端に、梨珠には大きな猫を脱ぎ捨てた。





「おっまえな……。」


「何か文句ある?」





キス出来る距離まで近づき、俺の唇に人差し指を当てそう言ってくる。