クルリと振り向いた女と視線が合う。





バランスのいい顔立ちで俺も周りにいる女より綺麗だった。





女は横向きで俺の膝に座り、首に腕を回して来た。





妖艶に笑い、柔らかくて甘い香り―――…一瞬で目を奪われた。





目を瞑る暇も与えられず俺はキスされた。





「あんた程度の女に愛人は無理、さっさと帰れば?」





俺の体に持たれかかり、顔は瑞希の方を向いて言い放つと悔しさからか、泣き出した瑞希は友達とバーを出て行った。





瑞希が出て行った後、膝を降り笑いながら俺の隣に座る女。





「ごめんね?勝手にあんな事して。」





肘をつき俺を見ながら言う女。





「いや、助かったよ。」


「それはよかった。」





目を伏せバックからタバコを出し、火をつけ吸い始める姿にまた目を奪われる。





「さっきの奥さん泣いてたじゃない。酷い事言っちゃダメよ。」


「男が悪い。割り切った関係だったのに結婚してくれだって。」





ママと女が話す内容が横に座ってる俺は、嫌でも話しが耳に入ってくる。