小悪魔ハニー

「モタモタしない!」





普通はこんな事言われるとイラッと来るんだけど…全く来ないんだよな…。





諦めつつ、渋々台車を押して行く俺。





「慎也くんごめんね?」


「いいよ、エレナが人気あるって嬉しい事じゃん!全校生徒に慕って貰うって凄い事だよ。嬉しい半面妬きもちも妬くけどな。」


「ありがとう。でも、私は慎也くんの物だから!」


「エレナは可愛いな〜。」




な―――――んて言いながら後ろでイチャつくバカっプル。





あんな風になりたいわけじゃないけど……羨ましいよな。





チラッと梨珠を見ると、聞こえてるが気にもとめず無表情のまま。





「鳥肌立つからあんなのは無理。」





小さくついたため息に気付いたのか、そう言って来た。





「羨ましいの?」


「は?」


「だから、ああいうバカっプルが羨ましいのって言ってるの。」





そう言われたら羨ましいけど…梨珠があんなんだとちょっと気持悪いかも……。




「羨ましくは…ない。」


「今の間は何?正直に言いなさいよ。」





正直に言ったら絶対怒るだろ!?





気持悪いなんて言えねぇ。