音のした方に視線をやると、エプロンを付けた姫達が3段あるカートに飲み物、氷、ティーカップにグラスを乗せて押して来る。





「お飲み物は何になさいますか?」





順番に飲み物を注いで回り、俺達の座っているテーブルに来たのは小野寺。





「俺は烏龍茶。」


「俺も同じで。」


「氷は入れますか?」


「3つ。」


「俺も同じで。」


「はい。」





そう言うと俺達の前にコースターとグラスを置き、氷を入れ烏龍茶を注いでいく。





「食後にコーヒーを頼む。」


「はい。先生はいかがですか?」

「俺もお願い。」





そういうと“はい”と言って次のテーブルに行った。





学校なのにファミレスみたいな感じ……姫達はあんな事もしないといけないのか?





「あれは姫の仕事。」





思わず心の声が漏れたとか思ってしまった。





「朝の職員朝礼と昼食と放課後にも持って来るよ。」


「姫になったら自由だと思ってたよ。」


「他の生徒より待遇よくて色々都合いいけど、教師達からの頼み事あれば聞ける範囲で聞いてくれるよ。」