そんな女には全然見えなかった。





「俺さ、不思議と落ち込む事なかったんだよ。ほんとはそんなに好きじゃなかったのかもな。」


「・・・・・。」


「でもさ、やっぱり考えてしまう事があって顔に出てたみたいなんだ。」


「未練があんのか?」


「今は全くない。」


「ならいいけど、好きな奴ってのは?」


「ああ・・・姫選の時期にさ、ある子にどうしたの?って聞かれてさ・・・。」






話しを聞いてると慎也の好きな奴は生徒らしい。





入学した当時から元気な子で友達思いな生徒。





会う度に声をかけて来てくれる。





彼女と別れた後、すぐに気付いて心配してくれたらしい。





その子と話したり、笑顔を見てると自分もいつの間にか笑ってる。





毎日のように話してたらいつの間にか意識し始めてしまっていて頭から離れない。





「生徒だから告白なんて出来るわけないし、卒業まで後少しだから気まずくなりたくない。」


「そうだな。その子ってどこのクラス?」


「うちのクラスだよ、うちのクラスの西園寺なんだ。」





・・・・・・。





好きな奴が西園寺・・・?