あﾞあﾞ―――――クソッ。





マジで恥ずかしい・・・。





「大河さん？」





泣きそうな顔をしてまた俺を呼ぶ梨珠。





―――――――可愛い。





こんな事思ってる場合じゃないんだけど、どうしようもなく可愛い。





演技だって分かってんのに重々承知してんのに勝手に体が動いてしまう。





「ん。おいで。」





そう言うとゆっくり抱き付いてくる。





抱き付いてきたとこでギュッと抱き締める。





「大河さん、大好きよ。」




嬉しいけどさ、演技だろ・・・。





「大河さんは？」


「あ、ああ。俺もだよ。」

「いやっ、ちゃんと言って？」





好きって言えって？




抱き締めるだけでいっぱいいっぱいなんだよ。





死ぬほど恥ずかしいんだ。





「大河さ〜ん。」





上目遣いすんな！甘ったるい声だすな！





「梨珠、好きだよ・・・愛してる。」





だ――――！





今すぐこの場から立ち去りたい。





「知ってるわよ。バカね、恥ずかしい人。」





耳元でそう囁く梨珠。