「どこのホテル?」


「クイーンホテル。」





クイーンホテルって、慎也達と行ったところ?





「お義父さんのホテルなのか?」


「そうよ。食事代と部屋代はいらないそうよ。タダって事ね。」





嬉しくてたまらない俺は不服でずっとブツブツ言ってる梨珠を宥め、翌日家を出た。





今回も俺が運転する。





不機嫌な梨珠に運転を任せるのは怖い。





インターチェンジで休憩を入れつつ昼過ぎにはホテルに着き、チェックインをしてるとお義父さんが来た。





「来てくれて嬉しいよ。」


「ありがとうございます。」


「いいや、幸せなクリスマスを過ごしてくれ。」





それだけ言い、仕事に戻って行った。





荷物だけを部屋に運んで貰い、俺達は街に行く事にした。





大きいショッピングモールに入り、服やらアクセサリーやら色々見て回った。





「ん。」


「何?」


「手だよ。迷子になったら困るだろ?」


「あ〜あ、困るわね。大河が迷子になって、迷子センターから呼び出しされたら恥ずかしいわね。」





いつもなら言いすぎない程度に言い返すが、今日は我慢しよう。