女ならもっと楽しみにするんじゃないのか?





「今までの女達はクリスマス間近になると私と会ってって煩かったみたいな事言いたいんでしょ?」




一言一句同じだとは口が裂けても言えない。





「この私を誰だと思ってるの?今までの女と一緒にしないでくれる。」





もう何言ってもダメな感じ。





そう思ってたんだけど、神っているんだな。





静まるリビングに電話がなった。





「はい、小野寺です。
はい、ありがとうございました。はい・・・はい。」





電話を取った梨珠は優しい声とは裏腹に表情は歪んでいく。





「はい、ありがとうございます。」





そう言ってため息をつき俺を見る。





「誰から?」


「お父様。」


「へぇ〜何だって?」


「大河と一緒にホテルへ来いって。」


「今から?」


「いいえ、クリスマスよ。ホテルの最上階にあるレストランが凄く人気らしくてこの前テレビでも取り上げられたみたい。レストランの予約ついでに部屋も予約したから来いって。どうする?」





どうするって、せっかくのクリスマスなんだし断る理由なんて一つもない。