梨珠に視線を向けると、ちょっと顔を向けニヤッと笑ってる。





騙された?





「なんだよそれ・・・どれだけ悩んだと思ってんだよ。」


「大河が悪いんでしょ?訳も聞かずに怒鳴って、自分が顔も見たくない話したくないって言ったんでしょ?」





また、謝るしかない俺。





「あ〜あ、1人になっちゃった。離婚したら本当に1人だわ。」





そんな顔すんな





分かってんのか?





お前は1人じゃないだろ?





「梨珠、自分の名前を言ってみろ。」





眉間に皺を寄せ不思議そうに見てる。





「何言ってんの?」


「いいから言ってみろ。」


「・・・小野寺梨珠。」


「そうだろ。」


「は?」





今自分の名前言ったじゃないか





まだ分かんないのか?





「俺の名前を言ってみろ。」


「小野寺大河。」


「まだ分かんないのか?俺達夫婦、家族だろ?梨珠は1人じゃない。ずっと傍にいる、だから1人なんて言うなよ。梨珠は一生小野寺梨珠だから。」





無意識のうちに体が動いて梨珠を抱きしめてた。