「あの歌ってさ、ソフィーさんの一番好きな歌なんだ。」





放課後、西園寺に聞かされた。





「私達もあの歌が好きだから、小さい頃はよく歌ってた。今日の音楽祭の事は梨珠が校長に頼んだんだ。」




・・・・・。





「ママに歌いたい。何にも出来なかったから、愛するママに歌いたいんですって。」





涙が出てくる。





今すぐ梨珠に会いたい





抱きしめたい





声が聞きたい





好きだと





愛してると言いたい。





「梨珠は控室か?」


「帰ったよ。今度こそ梨珠を離さないでよ?」





帰ったって家だよな?





俺達の家にいるんだよな?





「小野寺先生、今日は用事があるんだろ?帰らなくて大丈夫なのか?」





突然校長に言われた。





「早くいきなさい。」





その言葉に走ってホールを出て行った。