思いっきり頬を叩かれた梨珠は、床に倒れ込む。





「梨珠っ。」





駆け寄ったが、口も開かないし見ようともしない。





「か弱い振りをして先生を騙したのかしら？」


「はい。お父様に頼み無理矢理結婚して貰いました。」





何言ってるんだ





嘘言うなよ





「先生も大変な女に騙されましたね。」


「なに言って「違います。嫌がってる先生を私が脅したんです。先生は被害者なので、先生には何も言わないで下さい。」





梨珠が俺の言葉を遮った。




脅しなんてされてないじゃないか





「そんな目で見ないでくれる？あの女を思い出すわ。あなたを無理して生んで、育てられないから夫に預けた無神経な女。でも、よかったわー！死んでくれて。罰が当たったのよ。」


「そうだよ。お父様を誘惑するからいけないんだよー。当たり前の事言っただけなのに叩く事ないんじゃない。」


「彩奈の言う通りよ。家から出れない様にしたのに脱け出して、髪の毛も切ってあげたのに、その態度は何かしら？あなたもあの時、死んでしまった方がよかったのに。」





本当に人間かと言いたくなるような腐った親子。