慎也は体育館の端を通り俺の横に戻って来た。





「おい、あの子らパンツ見えるんじゃねぇの?」


「ははは、ステージから離れてるから大丈夫だろ。」





全校生徒に見えるかも知れないのに大丈夫って……お前の生徒だろ。





そうため息を吐きつつも、自然と俺の視線は生徒同様ステージに移ってしまう。





あれが高校生――――未成年だなんて詐欺だ。





そう思っていた俺は、余程見入ってしまったのか一人と目が合ってしまった。





さっき挨拶してくれた小野寺という生徒と―――――。





目が合った時、離れているから定かではないけど微笑みかけられたような気がして一瞬ドキッとした。





ドキッて言うか……たぶん、目が合ったのにビックリしてドキッと驚いたのかもしれない。





そうだ、絶対そうに決まってる。




俺は年下に興味なんかないし、ましてや生徒に胸が高鳴るなんてありえない。





自分にそう言い聞かせてていた俺は、後に彼女に溺れる事になるなんて思わなかった。