「ねぇ、なんで教師になったの?」





思いも因らない事を聞かれ、ちょっと驚いた。





「親父の後を継ぐのが嫌だったから、とにかく手に職を付けたかった。」


「だから教師?」


「そう。」


「医者とかは考えなかったの?」


「全く考えなかったな。詰め込む事が多すぎて、頭が爆発する。」


「ふはっ・・・爆発って。」





ツボに入ったのか、俺の方にちょっと顔を向け笑ってる。





「大河のくせに将来考えてたなんて意外。」





ちょっと待て・・・大河のくせにって。





「なんだよ、その言い方!」


「別に?」





なんだよそれ!





「梨珠は将来考えてんの?」


「は?主婦でいいんじゃない?」


「いいんじゃない?って…就きたい職業とかないのか?」


「ない。」





即答しないで自分の将来なんだから少しは考えろって。





「主婦になるのは反対なの?」





反対なんてしないけど・・・。





「学校じゃ進学か就職か聞かれるけど、ただ何となく進学したい。お金が欲しいから就職したい。って思ってても曖昧に思ってたら続かないと思う。」