「諦めてた。何を思って結婚させられたのかが分かんなかった。結婚したからといって何も変わる事はないって思ってたんだけど・・・。」


「けど?」


「実家にいた時よりも1人暮らししてた時よりも、大河と一緒に暮らしてる方が楽しい。」





ゆっくり顔を上げると苦笑しながら俺の顔を見て言ってる。





「楽しいって言うか安心する?一緒に居て楽だし、思ってたより嫌な奴じゃなかったし。」





また心臓がバクバク鳴りだして今日は特に忙しい。





「俺と居て嫌じゃないって事だよな?」


「そうね。大河は今どう思ってる?」





意地悪な笑みでもなく、小悪魔でもなく今日の梨珠はいつもと違う。





「俺も楽しいし梨珠といると安心する。梨珠意外の女に興味がなくなる程。」





そう言った俺に、優しく微笑む梨珠。





「今から言う事を聞いて欲しい・・・言い終わった後だったら何言ってもいいから。」


「何?」





―――――加速した気持ちは止まらない。