「あのぉ、翔君。ファミレス着いたよ?」
いつの間にか、ぼぅっとしてたらしい。
あれ、待てよ。
「おい。いま、何て言った?」
少しキョトンとしてから、
「えっ。ファミレス着いたよって言ったんだよ?」
「ちがう。その前!」
「翔君?」
その女は、オレのことを君付けで呼びやがった。
たまらず、
「君付けで呼ぶな。オレの事は翔でいい。」
女は、笑顔で
「わかった!翔。」
そう呼んだ。
その笑顔はとても純粋で可愛かった。