「おい!麻里知らねぇか?探してるんだ。」
葵は、少し痩せていてとてもさびしそうだった。
「わるいけど。知らない。」
あの女のことを殴ったくせに、悲しみを感じる資格はないと思った。
通り過ぎようとしたとき、後ろから声がした。
「葵!!」
あの女の叫ぶ声が聞こえた。
それから、スローモーションみたいに女は葵に抱きついた。
ただ呆然と見てるしかできなかった。
女は、何度も葵に泣きながら謝っていた。
葵も、女と同じように謝っていた。