誰かが、階段を昇る足音が聞こえた。 …あぁ、 また私は、 君の首を締めている。 風に揺れているカーテン。 手を離そうとしても、離れなくて。 君の、渇いて切れた唇から零れる声は、 まるで、泡のように消えてゆく。 真っ白な世界。 記憶が、 熔かされるように、 消える。